天田社長は部屋を捜索する話になると、わざと折木和秋を見つめた。
「折木さん、異議はないでしょうね?」
その言葉に、折木和秋の表情に一瞬の違和感が走った。
「天田社長、誤解は解けたのですから、もういいのではないでしょうか。そうでなければ、あなたと三男様の時間の無駄になります」
天田社長は口元を押さえて軽く笑った。「折木さんはとても気遣いがありますね。どうして時間の無駄になるでしょうか?あなたたち、何をぼんやりしているの?早く折木さんの部屋を捜索しなさい」
「はい」
執事が人を連れて出ようとしたが、折木和秋が急いで道を塞いだ。
「天田社長、これは私と三男様の寝室ですよ。それはあまり適切ではないのでは?」彼女は注意した。
「折木さん、それはダブルスタンダードですね。林さんは独身女性で寝ていたのに、あなたはこんなに多くの男性を連れて突入したとき、彼女は何も言わなかった。あなたは何を恐れているの?何か隠しているのではないですか?」天田社長は意味ありげに言った。