第132章 宝石が入れ替えられた

それから二日後、林知恵がデザインしたブローチの台座が完成し、あとはブルーサファイアの装着だけとなった。

雪村真理はわざわざ立ち会いに来ていた。

しかし予想外のことが起きた。

パキッという音と共に、ブルーサファイアが割れてしまったのだ。

部屋は静まり返り、職人は額に冷や汗を浮かべて驚いていた。

「い、いや、私ではありません。力を入れていませんでした」

雪村真理は我に返り、半分に割れたブルーサファイアを手に取って確認すると、魂が抜けたように全身の力が抜けた。

林知恵は彼女を支えながらその半分のブルーサファイアを受け取り、詳しく鑑定した後、自分も呆然とした。

「おかしい、これは受け取ったブルーサファイアではない」

雪村真理はすぐに監視カメラの映像を確認した。

結果、この二日間、入庫以外に誰も倉庫に入っていなかった。