第131章 折木和秋を翻弄する

食事の途中で、田中慎治がやってきた。

「捕まえました。彼らは林さんがお金持ちそうに見えたので、悪い考えを持ったと言っています」

林知恵の心が沈み、無意識に箸を噛みながら、目を上げて宮本深を見た。

彼女が強盗の話をした時、彼はまったく信じなかった。

今は……

「処理しておけ」宮本深は軽く言い、信じただけでなく、何も質問もしなかった。

林知恵の顔色が少し青ざめ、箸を置いて彼を見つめた。「おじさま、信じたの?」

「ああ」

宮本深は無表情で食事を続けた。

それを聞いて、林知恵は食欲を完全に失った。

「だから私の言葉は信じないのに、見たこともない他人が適当に言ったことは信じるんですね?」

「じゃあ、どういうことだと言うんだ?」彼はゆっくりと料理を箸で取り、彼女を見もしなかった。

林知恵は拳を握り締め、賭けに出ることにした。

「もし折木和秋だと言ったら?」

宮本深は眉をひそめ、その瞳は底知れぬ深い淵のようだった。

「今後は証拠のない話はするな」

林知恵は突然冷笑した。彼は信じていない。

彼女は冷たく立ち上がり、スマホを取り出して彼のスペアリブスープと薬の代金を送金した。

「行きます。おじさま、ごゆっくり」

そして去っていった。

宮本深はスマホの送金を一瞥し、箸と茶碗を置き、手を上げて田中慎治を呼んだ。

田中慎治は近づいて耳を傾けた。

……

スタジオにて。

林知恵は何事もなかったかのように自分の席に戻った。

座るとすぐに、誰かの視線が彼女の腕時計を見つめているのを感じた。

折木和秋だった。

林知恵は見なかったふりをして、バッグをテーブルに置き、手洗い場へ行った。

戻ってきたとき、彼女のバッグは誰かに触られており、中の古い携帯電話も交換されていた。

ふん。

折木和秋、やはりあなただったのね。

林知恵は何事もなかったかのように座り、携帯を取り出して確認し、何も気づかないふりをして仕事を続けた。

遠くで折木和秋が冷笑した。

……

仕事の後。

折木和秋は帰るとすぐに携帯修理の専門家を探し、林知恵の古い携帯のロックを素早く解除した。

彼女が抑えきれない笑みを浮かべながら携帯のギャラリーを開いたとき、目に入ったのは媚びを売る中年男性だった。

さらには見るに堪えない下半身の写真まであった。