この道中、林知恵は明らかに背後から自分を見つめる二つの視線がなくなったことを感じ、全体的にずっと気が楽になった。
ジュエリー展は郊外の町にある民族文化館で開催され、百年以上の歴史を持ち、内外ともに非常に良く保存されていた。
建物の古風な雰囲気を損なわないよう、今回はレッドカーペットも敷かれず、発表会さえも皆が露天の中庭に立って行われた。
参加者は皆、寒さに震えながらも、顔には優雅な笑みを浮かべていた。
雪村真理はこれを芸術のための犠牲と冗談を言ったが、ドレスの下にいくつの使い捨てカイロが貼られているかなど誰にもわからない。
発表会が終わり、一同は暖かい館内へと移動した。
今回のテーマは文化と自然だった。
入口から様々な工夫を凝らした展示品が並んでいた。
ショーケースに固定された豪華なジュエリーの他にも、様々な形で展示されたジュエリーがあった。