「どんな証拠?」佐々木霜華は急いで尋ねた。
深田紅はすぐに携帯の録音を開き、画面には去年のクリスマスの日付が表示されていた。
当時、林知恵と深田紅はとても仲が良く、何でも話し合う間柄だった。
林知恵は突然何かを思い出したように、顔色が透き通るほど青ざめ、握りしめた拳さえ震えていた。
前世では、深田紅が折木和秋の側にいられたのは、単に同情を買っただけではないはずだ。
彼女は密かに弱みを握っていたのだ。
録音が始まった。
「知恵、花火を見ながらぼーっとしてるけど、もしかして密かに願い事してるの?」
「してないわ」林知恵の声は鼻にかかっていて、心の内を見透かされた恥ずかしさがあった。
「嘘ばっかり、顔が赤いじゃない。また三男様のこと考えてたでしょ?」
「しーっ!誰かに聞かれたら困るわ!彼はもう他の人と一緒になったのよ」