代わりに男女の息遣いと喘ぎ声が聞こえてきた。
林知恵は一瞬固まり、幻聴かと思ったが、振り向くとスクリーンには確かに男女の行為が映し出されていた。
主役は他でもない、折木和秋と...黒肌の体育会系の男だった。
男性主役は木村大賀ではなかった!
あるいは木村大賀だけではなかった。
次の動画では男性が金髪碧眼のモデルに変わっていたからだ。
わずか1分の動画の中で、何人の男性が入れ替わったのか、林知恵は把握できなかった。
視界の端で、折木和秋が白いドレス姿で地面に崩れ落ちているのが見えた。
彼女は震える声で叫んだ。「消して!消して!これは全部偽物よ!」
しかし大スクリーンは彼女の命令など聞かず、衝撃的な秘密を映し続けた。
折木和秋はいつも盗作をしていたのだ。以前ネット上で多くのファンを獲得したデザイン作品は、すべて他人から盗んだものだった。
折木家はさらに裏で宮本深との関係を利用し、一方では利益を得ながら、もう一方では宮本深を裏切って競合他社に投資し、さまざまな賄賂の記録まであった。
これらすべてが、折木家を完全に追い詰めていた。
それまで高慢だった佐々木霜華は、目を白黒させて気を失ってしまった。
幸福の象徴であるはずの赤いカーペットの上で、折木和秋は体裁も構わずに転げるようにして宮本深の足元まで這いよった。
「三男様!お願いです、消して!あなたのために子供を身籠ったことを思えば、こんな仕打ちはしないで!」
「折木和秋、あの日のスープは吐き出したよ」宮本深は淡々と言い、視線はメインテーブルの宮本当主に向けられていた。
当主は拳を握りしめ、表情は厳しかった。
まさか自分の息子がここまで自分に対して警戒心を持っているとは思ってもみなかった!
宮本深は視線を戻し、折木和秋を見下ろして冷たく言った。「連れて行け」
スクリーンには折木和秋が海外でこっそり中絶した病歴が表示された。
おそらく誰も海外のことまで調べるとは思っていなかったのだろう、彼女は名前を変える手間すら惜しんでいた。
最後に、折木和秋の中絶手術を担当した医師が映像に登場した。
「折木さんは2ヶ月以上前に既に中絶しており、体を傷つけて、再び妊娠することは難しいでしょう。だから今回は妊娠していませんでした。大量出血も偽りで、彼女が私にそうするよう強要したのです」