第196章 林知恵、私はあなたのために惜しいとさえ思う

林知恵はスカートの裾を整えながら振り返り、折木和秋の驚いた表情に向き合った。

「折木さん、どうして私の許可なくカーテンを開けるの?もし着替え中だったらどうするつもり?」

折木和秋は白いドレスを着た林知恵を見て、嫉妬で言葉が出なかった。

とてもシンプルなデザインなのに、彼女をより一層美しく引き立てていた。

様々な美女を見慣れているはずのウェディングショップのスタッフたちも、驚嘆の眼差しを向けていた。

彼女はカーテンをきつく握り、笑顔を保とうとしたが、林知恵の背後の鏡に付いた手形に気づいた。

折木和秋は完全に笑顔を失い、林知恵を恨めしげに見ながら、皮肉めいた口調で言った。「知恵が選んだブライズメイドドレスはこんなに長いの。知らなければ簡易的なウェディングドレスかと思うわ」