第213章 私の忍耐には限度がある

林知恵と山下穂子が前の広間に向かう途中、執事が宮本家の長老たちを連れて祠堂へと急いでいるのを見つけた。

「お母さん、どうして皆祠堂に行くの?」林知恵は不思議そうに尋ねた。

山下穂子は辺りを見回し、緊張した表情で言った。「まずいわ、きっと大変なことが起きるのよ」

彼女は宮本石彦を心配し、林知恵の手を引いて祠堂へと向かった。

祠堂に入ると、中は人でごった返していた。

皆が規律正しく両側に分かれて立っており、林知恵は急いで山下穂子の手を引き、目立たない端の方に立った。

彼女が顔を上げて奥を見ると、隠居していた長老たちまでもが呼び出されていることに気づいた。

宮本深と宮本当主が上座に座り、傍らには香が焚かれ、厳粛な雰囲気が漂っていた。

広間の中央では、宮本康弘が歯ぎしりしながら跪いていた。