第312章 純情男子大学生

病院に行く?

林知恵は我に返り、急いで宮本深を引き止め、必死に唾を飲み込んだ。「大丈夫、大丈夫、病院に行く必要はないわ、水を飲むだけで」

病院に行くなんて恥ずかしすぎる。

宮本深は何も言わず、彼女の手を引いて近くのバーカウンターへ直行し、温かい水を一杯注いで彼女の唇元に差し出した。

林知恵は一瞬戸惑った。「自分でやるわ」

手を上げた時、彼に手を握られたままだったことに気づいた。

彼女が手を動かすと、彼はますます強く握った。

男性はゆっくりと目を開け、彼女と視線を合わせた。

彼の目は熱く、人を焼くように、さらには執着を感じさせた。

しかし目の波が揺れた後、彼はただ静かに林知恵を見つめ、少しずつ手を離した。

指先まで抑制が効いているようで、少し硬直していた。

林知恵は胸が締め付けられる感覚を覚え、自分を落ち着かせながらグラスを受け取った。

「ありがとう」

「随分と丁寧だね」

宮本深は二歩下がり、バーカウンターに半分寄りかかり、目を少し伏せて、かすかに自嘲気味の声で言った。

林知恵はグラスを見下ろし、何を言えばいいのか分からなかった。

宮本深はタバコを取り出した。「学校は決まったのか?」

「私は結局...」

林知恵は桑田剛が彼女のために選んだ学校の名前を言った。

宮本深との関わりを続けたくないという理由の他に、総合的に考えた結果でもあった。

この学校は学費が手頃で、新しいコースも彼女の将来の発展により適していた。

夢は夢として、現実も考慮する必要があった。

数百万円なんて、彼女には到底払えなかった。

「そんなに彼が好きなのか?」

宮本深はライターを持つ手を一瞬止め、すぐにタバコに火をつけた。彼は唇にタバコをくわえ、赤い火が明滅し、薄い白い煙越しに、黒い瞳に林知恵には理解できない感情が渦巻いていた。

彼女が気づいた時には、彼は既に彼女の前に立ち、体を彼女に少し傾け、その端正な顔がだんだんはっきりと見えてきた。

支配的な雰囲気が迫ってきた。

林知恵は最初は説明しようと思ったが、彼の様子を見て、説明する必要はないと感じた。

彼はずっと彼女をコントロールしたがっていた。

「また私を強制するつもり?堂々たる三男様はそれしかできないの?言っておくけど、私は自分の選択を絶対に後悔しないわ!」