病院に行く?
林知恵は我に返り、急いで宮本深を引き止め、必死に唾を飲み込んだ。「大丈夫、大丈夫、病院に行く必要はないわ、水を飲むだけで」
病院に行くなんて恥ずかしすぎる。
宮本深は何も言わず、彼女の手を引いて近くのバーカウンターへ直行し、温かい水を一杯注いで彼女の唇元に差し出した。
林知恵は一瞬戸惑った。「自分でやるわ」
手を上げた時、彼に手を握られたままだったことに気づいた。
彼女が手を動かすと、彼はますます強く握った。
男性はゆっくりと目を開け、彼女と視線を合わせた。
彼の目は熱く、人を焼くように、さらには執着を感じさせた。
しかし目の波が揺れた後、彼はただ静かに林知恵を見つめ、少しずつ手を離した。
指先まで抑制が効いているようで、少し硬直していた。
林知恵は胸が締め付けられる感覚を覚え、自分を落ち着かせながらグラスを受け取った。