第351章 結婚式を妨害しに行くと思った

ホテル。

宮本深は窓の外の日差しを見つめながら、無意識に指輪があった指を撫でた。

何も触れず、指輪を返したことを思い出した。

田中慎治が水と薬を差し出した。「三男様、そろそろ時間です。」

宮本深は逆光に立ち、無表情で薬を飲み込んだ。深い淵のような黒い瞳が少し細められ、冷たく鋭い。

「行こう。」

ドアを開けると、花が敷き詰められ、ロマンチックな雰囲気の中、ゆっくりとウェディングマーチが流れてきた……

一方。

林知恵と山田さんは山のお寺で精進料理を食べてから下山した。

タクシーに乗るとすぐに、二人は後部座席に疲れ果てて座り込んだ。

5分もしないうちに、山田さんはぐっすりと眠りについた。

林知恵は疲れていたが、全く眠れなかった。姿勢を変えようとした時、ポケットからお守りが座席の下に落ちた。