「やっぱりそうだと思った!」杉山おばさんは背筋を伸ばし、思いの丈を吐き出した。「山下穂子は城田芳子と自分の仲が昔から一番良いことを知っていながら、私たちを連れて行きたくないなんて、明らかに私たちを見下しているのよ」
「彼女はもう宮本家の二番目の奥さんなんだから、この1000万なんて目じゃないわ。もし私たちに…」
皆は1000万という言葉を聞いて、思わず夢想に浸った。
陶酔する中、次々と心が動いた。
何か言おうとした時、あるおばさんが冷や水を浴びせた。
「そう簡単にはいかないわ。山下穂子のあの純粋だった娘も今は抜け目なくなったわ。この前のアフタヌーンティーの時も、わざと私たちの投資を断ったもの。山下穂子は娘の言うことをよく聞くから、きっと私たちを儲けさせたくないのよ」
杉山おばさんは笑って言った。「確かに彼女は娘の言うことを聞くけど、私たちに対しては断りづらいはずよ」
「何か良い方法を思いついたの?」
「私たちが直接お金を彼女に渡して、転送してもらえばいいじゃない?そうすれば儲かろうが損しようが、彼女にお金を請求するだけでいいのよ」
「彼女が返さなかったら?」
「私たちが彼女を詐欺で訴えればいいの。堂々たる宮本家の二番目の奥さんよ、彼女も宮本家も恥ずかしくて、きっとお金を返してくれるわ。私たちは損しないわ」杉山おばさんは計算高く言った。
他のおばさんたちはちょっと悪どいと感じたが、山下穂子が1000万以上稼いだことを考えると、結局同意した。
彼女たちは杉山おばさんを見て言った。「いつからそんなに賢くなったの?こんな策略まで思いつくなんて」
杉山おばさんは表情を一瞬固めて、干笑いを二つ三つした。
ビデオもここで終わった。
このビデオだけでも、少なくとも山下穂子が彼女たちからお金を騙し取っていないことは証明できる。
しかし、それだけでは不十分だ。結局、騙された人はあまりにも多く、城田芳子は山下穂子が首謀者だと言い張っている。
林知恵の直感は、彼女がまだ見落としている部分があると告げていた。
しかし焦れば焦るほど、思い出せなくなる。
そのとき、宮本深が前に出て高橋蝶子のスマホを受け取り、ビデオを前の部分に戻した。
「あなたのお母さんはどうやって二番目の奥さんが林知恵のために何の持参金を用意したか知ったの?」