第371章 彼氏?

「やっぱりそうだと思った!」杉山おばさんは背筋を伸ばし、思いの丈を吐き出した。「山下穂子は城田芳子と自分の仲が昔から一番良いことを知っていながら、私たちを連れて行きたくないなんて、明らかに私たちを見下しているのよ」

「彼女はもう宮本家の二番目の奥さんなんだから、この1000万なんて目じゃないわ。もし私たちに…」

皆は1000万という言葉を聞いて、思わず夢想に浸った。

陶酔する中、次々と心が動いた。

何か言おうとした時、あるおばさんが冷や水を浴びせた。

「そう簡単にはいかないわ。山下穂子のあの純粋だった娘も今は抜け目なくなったわ。この前のアフタヌーンティーの時も、わざと私たちの投資を断ったもの。山下穂子は娘の言うことをよく聞くから、きっと私たちを儲けさせたくないのよ」

杉山おばさんは笑って言った。「確かに彼女は娘の言うことを聞くけど、私たちに対しては断りづらいはずよ」