もう一つのこと?
林知恵は困惑して宮本深を見た。「何のこと?」
「君と桑田剛の件は今朝早くに公表されたんだ。彼も知っているはずだ」と宮本深は言った。
「うん、彼は私に聞いてきたけど、答えなかった」
「彼は君が桑田剛の婚約者だと知っていて、私が君と星奈を連れ出したことも知っている。だから、私と君がラブホテルにいることを知っても、彼は不倫現場を押さえに行く勇気はないはずだ」宮本深は指先で森田謙の名前をテーブルの上でトントンと叩いた。「でも彼は上がっただけでなく、強引に入り込んだ」
そう言いながら、彼は携帯を取り出し、ラブホテルのフロントから送られてきたメッセージを開いた。
「お客様、あなたの予想通り、強引に入っていきました」
「強引に?」木村悦子は驚いて言った。「林知恵は彼と関係を確認していないのに、彼は何の立場で強引に入るの?不倫現場を押さえるって?桑田社長とあなたを怒らせることを恐れないの?」