宮本深は周りを見回した。「明らかじゃないか?」
林知恵は彼の視線の先を見て、ようやく寝室に彼が生活していた痕跡があることに気づいた。
ベッドの横にはワイヤレス充電器があり、棚の上には男性用の時計スタンドがあり、窓際の椅子の背にはメンズのバスローブがかけられていた。
ただ、家の中は隅々まで完全に掃除されていたので、彼女はすぐには気づかなかった。
だから入ってきたときに何か変だと感じたのだ。
彼女は疑わしげに宮本深を見た。「なぜここに住んでいるの?」
「誰かに騙されてね」
そう言いながら、宮本深は角にある小さな棚を見た。それには鍵がかかっていた。
林知恵はすぐにその中身が何かを理解した。
彼女は困惑してスーツケースのハンドルをきつく握った。
自分が「証拠」の詰まった棚を残してきたと感じた。