第445章 あなた以外、誰も甘やかしたことがない

峰田先生に引き継いだ後、彼は二人がまだ話すことがあるようだったので、部屋を出た。

山下穂子は隣に座って頭を支えながら言った。「知恵、ごめんなさい。あなたが帰ってきたばかりなのに、こんなことに巻き込んでしまって。」

林知恵は前に進み、彼女の肩に手を置いた。「お母さん、昨日何も言わなかったのは私に迷惑がかかるのを心配していたからでしょう?」

山下穂子は顔を上げて苦笑いした。「結局あなたを巻き込んでしまったわ。私は母親失格ね。」

「お母さん、何言ってるの?もうそんなに物思いにふけるの?」

林知恵は彼女の肩をつまんだ。

山下穂子はため息をついた。「からかわないで。」

「お母さん、まずここから連れ出すわ。でも芝居は徹底的にやらないと。表情管理してね。」林知恵は彼女の顔を指さした。