趙栞は白川若菜が何を話そうとしているのか察したようで、会議室のドアを閉め、彼女の向かいに座った。
「白川お嬢様、何かご用件は?」
「あなたは私たちのスタジオの先輩だから、知恵の以前の能力についてどう思うか聞きたいの。結局、私と彼女は協力する必要があるから、詳しく知っておきたいの」
白川若菜は平淡な口調で、まるで気軽な雑談をするかのようにリラックスしていた。
趙栞は言いかけて止めた。
彼女は本当に林知恵が嫌いだったが、能力に関しては、林知恵は白川若菜に劣らなかった。
しかし、そんなことは口に出せなかった。
ぎこちなく「まあまあです」としか言えなかった。
白川若菜は趙栞の言葉に含みがあることを知っていたが、焦らなかった。
「さっきの会議での彼女の反応は普通だと思う?」