第486章 その女は彼女自身

林知恵は布団の中に閉じこもり、周りがとても静かだと感じていた。

次の瞬間、彼女の前の布団が少し開き、誰かが直接中に潜り込んできた。

漆黒の髪が布団に押さえられ、眉と目の前に垂れ下がり、その眼差しはより一層魅惑的に見えた。

林知恵は息を詰まらせ、すぐに熱くなり落ち着かなくなり、体を後ろに避けた。

しかし彼はますます近づいてきた。

「俺は一度も行ったことがない。いつも自分で解決してきた」

林知恵は驚愕した。

宮本深は一体どうしたのだろう?

三年以上会っていないうちに、話し方が本当に遠慮がなくなっていた。

以前のクールな三男様はどこへ行ってしまったのだろう?

彼女が気を取られている隙に、宮本深は大きな手を彼女の腰に当て、彼女を自分の方へ引き寄せた。

「木村悦子は俺が物事を心の中に溜め込みすぎると言っていた。だから俺たちの間にはいつも誤解がある」

「知恵、まだ俺を信じてくれるか?」

一言、知恵。

男の息遣いが布団の中に広がり、林知恵はまったく逃げ場がなかった。

彼女はゆっくりと近づいてくる男を見つめ、なぜか口が渇いた。

突然、彼女の頭の中である声が響いた。

彼女は手を上げて宮本深の唇を押さえた。「三男様、もう少しで騙されるところでした。あなたは貴人で物忘れが多いですね。以前、あなたの悩みを解決してくれる女性がいると言っていましたが、私がここに住んでいると、あなたたちの邪魔にならないでしょうか?」

「お前が積極的になったら誰か教えると言っただろう。でもお前はいつも逃げる」

「三男様のような甘い言葉と騙しには敵いません」

宮本深は彼女が逃げようとするのを見て、彼女の腰を拘束し、力強く自分の胸に引き寄せた。

彼は髪の毛越しに彼女を見つめた。「お前のその頑固な性格は少しも変わっていない。全部俺に向けられている」

「そんなことない」

林知恵は顔をそむけ、彼を見る勇気がなかった。

このような布団の中の雰囲気、男の低い声、そして寝間着の下に隠しきれない体格。

彼女だって聖人君子ではない!

宮本深は彼女の耳元に近づいた。「俺のベッドサイドテーブルの引き出しに箱がある。自分で見てみろ」

「……」

箱?

林知恵はまばたきをして、以前部屋を片付けた時に彼のベッドサイドテーブルの引き出しで二つのカピバラを見つけたことを思い出した。