聚会を提案したのはルームメイトの来美、直方来美だった。
かつて会社に採用されたものの、お金がなくて、もう少しで実家に帰って嫁に行くところだったルームメイトだ。
前世では、直方来美は半年で帰郷し、毎日夫からDVを受け、子供まで流産してしまった。
実際、彼女自身も不幸な人生を送っていた。
直方来美、来美は、家庭で男尊女卑が非常に強かった。
しかし彼女は長女ではなく、次女だった。
上には3歳年上の兄がいて、下には2歳年下の弟がいた。
家での彼女の立場は想像に難くない。
彼女の話によると、大学に行けたのも他人の援助のおかげだった。
当時、林知恵は直方来美が故郷に帰って同じ轍を踏むことを心配し、会社への手付金を渡した。
幸い林知恵の目に狂いはなく、半年後、彼女はお金を返した。
その後、林知恵も彼女に助けを求めたことがあった。