第512章 重要な事

林知恵は何か問題が起きるのではないかと心配し、ずっと現場を見つめていた。

しかし、あっという間に記念ジュエリーのオークションが始まっても、何も異常はなかった。

林知恵はすべてが落ち着いたと思っていた。

しかし次の瞬間、白川若菜がステージに上がった。

彼女はまるで記念ジュエリーのデザイナーのように林知恵の龍の指輪について熱心に語り、さらにそれを使っていくつもの比喩を展開した。

会場の大物たちを喜ばせていた。

しかし、この前に誰も林知恵にこの段取りについて知らせていなかった。

彼女が同僚たちを振り返ると、彼らも困惑していた。

彼女はすぐにある人物を思い浮かべた。

雪村真理だ。

案の定、雪村真理はステージの横に立ち、何度もうなずいていた。

つまり雪村真理は最初から知っていたのだ。