第530章 信頼

牛乳を飲んだせいかどうかはわからない。

林知恵は深く眠り、とても疲れていると感じた。

彼女はまた悪夢を見始めたからだ。

夢の中では以前と同じように、彼女は見えない霧の中をずっと歩き続けていた。

どれくらい歩いたかわからないが、彼女は再びアーチ橋の前に辿り着いた。

予想通りなら、この橋を渡れば宮本深に会えるはずだ。

宮本深のことを思うと、彼女は思わず足を速めた。

階段を上っていくと、空から突然雪が降り始めた。

あっという間に、地面は厚い雪に覆われた。

彼女が慎重に雪を踏むと、キシキシという音がして、どこか懐かしい感覚があった。

京渡市の冬の雪だ。

突然、橋の向こう側から男性の声が聞こえてきた。

「お願いします!」

「お願いします!」

宮本深の声だった。

彼の低い声は吹雪の中でかすかに聞こえた。

いつものような冷静さはなく、むしろ声には詰まりと震えがあった。

さらには狼狽えた様子さえ感じられた。

林知恵は何が起きているのか知りたくて、積雪を気にせず急いで上っていった。

しかし、どれだけ登っても頂上にたどり着けない。

たった十数段の階段なのに、まるで高い山を登っているかのようだった。

夢の中の林知恵は積雪で滑って倒れたが、ようやく最後の一段に手を伸ばして掴んだ。

彼女はゆっくりと橋に這い上がり、またあの光景を目にした。

はっきりと見えない映像、遠く、虚ろだった。

彼女には人混みの中の宮本深だけが見えた。彼は孤独に座り、憔悴しきっていた。

彼は誰かに何かを言っていた、何度も何度も。

二人の視線が合うまで。

宮本深は目を赤くし、わずかに口を開くと、口から鮮血が噴き出した。

林知恵は手を伸ばして掴もうとしたが、何も掴めなかった。

何度か試した後、彼女の背後から突然冷たい風が吹き、まるで見えない手に引っ張られたかのようだった。

彼女は突然目を覚まし、隣の空いた場所を見て、無意識に手を上げて握りしめた。

掌にはまだ積雪の骨を刺すような冷たさが残っているようだった。

「三男様、三男様……」

林知恵は急いでベッドから降り、何度も呼んだが返事はなかった。

部屋を飛び出すと、玄関の方から扉の開く音が聞こえた。

林知恵は急いで走り出て、見慣れた姿を見ると、呼吸が落ち着いた。

「三男様、どこに行っていたの?」