第46章 暴かれた策略(6)

中村おばさんは一瞬固まり、すぐに理解して方向を変え、生姜の紅糖茶を持って有栖川涼のところへ向かった。

有栖川涼は中村おばさんの伝言を聞き終えると、まぶたを上げて有栖川様の方向を見た。老人は杖をついて、にこにこしながら誰かと話していたが、目の端で何気なく彼の方をちらりと見ていた。明らかに彼の様子を気にしているようだった。

有栖川涼は有栖川様の視線を捉えたが、表情は相変わらず淡々としており、大きな感情の起伏を見せなかった。彼は顔を戻し、執事が持っている湯気の立つ生姜茶を数秒見つめた後、姿勢を正した。そして先ほど執事が伝えた長い話に対して、一言も返さず、ただ湯飲みを取り上げて階段の方へ歩いていった。

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常盤燿子が和泉沙羅を演じるようになってから、一度も老舗の家に泊まったことがなかったので、老舗が彼女と有栖川涼のために特別に用意したこの寝室は、彼女にとって初めて訪れる場所だった。