第131章 謎の手紙(1)

何がなんだっていうんだ!彼は生まれてこのかた、こんな屈辱を受けたことなんて一度もなかったんだぞ!

数人の女が彼女一人を取り囲んで、それで彼に何だって?女同士のちょっとした諍いだって?

彼を馬鹿にしてるのか、それとも目が見えないとでも思ってるのか。ちょっとした諍いで一群の女が一人の女に対抗するなんてことがあるか?

それに何だって?謝れば済むって?謝るって何だよ!あの様子じゃ、謝ったところで済むわけないだろ?言い訳するなら、もう少しマシなものを考えろよ。彼をからかってるのか?

彼が連れてきた女を、彼女たちが好き勝手に侮辱していいと思ってるのか?これは明らかに彼の顔に泥を塗ってるじゃないか?

有栖川涼は考えれば考えるほど腹が立ち、エレベーターがちょうど止まったが、ドアがなかなか開かず、彼は足を上げてドアに向かって思い切り蹴りを入れた。