「私はね……」常盤陽は二言答えると、急に有栖川涼の前に身を乗り出し、声を潜めて言った。「有栖川隊長、なぜそんなことを聞くんですか?忘れないでください、あなたは除隊したんです。勝手に銃を触ることはできませんよ。」
有栖川涼は軽く「うん」と返事をし、少し離れたカフェの二階を数秒見つめてから、淡々とした口調で常盤陽の言葉に応えた。「お前がいるじゃないか?」
「私が?」常盤陽は首を振り、「私はダメです」と言いかけたが、突然何かを理解したかのように有栖川涼と視線を合わせ、しばらくしてから神秘的な口調で言った。「つまり、あなたの意図は……?」
有栖川涼は何も言わず、ただうなずいてから、先ほど見ていたカフェを指差した。「観察したが、あの角度が一番いい。お前は上層部に申請報告を出してこい。俺はあそこで待っている。」