第143章 生まれながらの冷兵器(3)

有栖川涼はおそらく常盤陽のくどくどしさにうんざりしていたのだろう、今回はただ淡々と「うん」と一言だけ返して、銃を手に取り、カーテンの陰に隠れて窓の外に狙いを定めた。

「有栖川隊長、本当に大丈夫なのか?あなたが部隊にいた頃は、間違いなく最高の射手で、百発百中、任務に出れば解決できない問題はなかった。でも、もう2年だぞ。2年間も銃に触れていないのに、今回成功する自信があるのか?」

有栖川涼は常盤陽の言葉を無視し、銃を構えたまま窓の外を照準し、何かを測定しているようだった。わずか十数秒後、彼は動きを止め、悠然と常盤陽に軽く返した。「やってみるさ」

「や、やってみる?」たった三つの言葉で、常盤陽は一気に逆上した。「隊長、これはゲームじゃないぞ!安心させてくれよ。この銃を撃つのは、俺が撃つのと同じことだ。もし何かあったら…」