第147章 生まれながらの冷兵器(7)

常盤燿子がバーに入るとすぐに、有栖川涼の姿が目に入った。

彼女は自分が彼を追いかけてきたことがバレて、またしつこく付きまとっていると思われ、怒られるのが怖かったので、有栖川涼の方向へ案内しようとしていたウェイターを素早く呼び止め、涼の背後からかなり離れた隅の席を選んだ。

常盤燿子はまだ生理中で、強いお酒は避けるべきだった。夕食を食べていなかったので、メニューを手に取り、まずは軽食をいくつか選び、それから長い時間悩んだ末に、ほとんどアルコール度数のないカクテルを注文した。

常盤燿子がメニューをウェイターに渡したとき、別のウェイターがトレイいっぱいのお酒を持って有栖川涼のテーブルに向かうのが見えた。

ウェイターはテーブルに丁寧にお酒を並べながら、常に横を向いて涼に笑顔で話しかけていた。