第173章 彼女に触れてみろ(3)

有栖川涼は眉をひそめ、また尋ねた。「彼女が普段誰と密に連絡を取り合っているか知っていますか?」

陸田透真はしばらく考えてから、一連の名前を挙げた。杉山さんだの、木村さんだの、高橋さんだの……有栖川涼は頭が痛くなるほどだった。彼は直接言った。「彼女たちに一人ずつ電話をかけて、和泉沙羅がどこにいるか確認してくれないか?」

約10分後、陸田透真から電話がかかってきた。結果は芳しくなく、和泉沙羅はどこにもいなかった。

和泉沙羅と陸田透真は幼い頃からの知り合いで、長年にわたって良好な関係を保ってきた。

だから、陸田透真が言う和泉沙羅と仲の良い人たちは、ほぼ間違いないはずだ。彼女の行方を誰一人として知らないというのはおかしい。

あるいは、彼女には陸田透真が知らない他の親友がいるのだろうか?