言い終わると、有栖川涼は強引に常盤燿子を連れて、遊園地の奥へと歩き始めた。
アトラクションごとに立ち止まり、有栖川涼は常盤燿子に指さして尋ねた。「これは好き?乗りたい?」
彼は常盤燿子が首を振るのを見ても無理強いせず、彼女の腰に腕を回したまま、次のアトラクションへと歩いていった。
彼が選んだこの遊園地は、早稲田大学の近くにあるものよりもずっと広く、何も乗らずに単に歩いて一周しただけでも、たっぷり1時間近くかかった。
二人が野外カフェに戻りかけたとき、有栖川涼は突然足を止め、常盤燿子を抱き寄せたまま、メリーゴーランドの方向へ歩き出した。「一周して、どのアトラクションも気に入らなかったみたいだけど、大丈夫。君が絶対好きなものが一つあるんだ。行こう、見てみよう!」
メリーゴーランドを過ぎると、電子銃を使った射的の屋台が二列に並んでいた。