第294章 ずっとこの薬を飲んでいたの?(4)

少女はこの言葉を聞くと、力を緩めるどころか、むしろ強めた。

有栖川涼は締め付けられて激しく咳き込んだ。「俺を窒息させる気か?離せ!離せ!」

少女はまだ声を出さず、腕の力はますます強くなった。

有栖川涼の呼吸は困難になり始め、言葉にも怒りが混じった。「離すのか離さないのか?殴るぞ!」

「離さない、絶対離さない!」少女は口答えしながら、すでに限界まで締め付けていた腕をさらに強めた。

有栖川涼の顔は彼女にこうして締め付けられて赤くなっていた。このままでは、本当に彼女に生きたまま窒息させられるかもしれない。彼は苦労して腕を彼女の足の下から一本抜き、手を上げて彼女の首に巻き付いた腕をこじ開けようとした。

彼のこの行動に、彼女はさらに慌てた。必死になって腕の力を強めようとしたが、それでも彼女の手は彼の首から少しずつ引き離されていった。