第349章 有栖川涼、私は常盤燿子(9)

彼女がスーパーで見かけたあの和泉沙羅は、間違いなく和泉沙羅だった。

入口で見かけたあの和泉沙羅も、絶対に和泉沙羅だった!

しかし、一人の和泉沙羅が、あんなに短い時間で服装とメイクを変えて現れるなんて、絶対にありえない!

まさか...和泉沙羅が二人いるの?

菅野千恵は自分の考えに驚いたが、すぐにそれが唯一の説明だと思えてきた。

もし彼女の推測が正しければ、今日出会った二人の和泉沙羅のうち、一人は偽物ということになる!

誰が和泉沙羅になりすましているの?和泉沙羅は有栖川涼の妻で、有栖川涼は柊木誠一の友人...もし何か証拠を見つけることができれば、それを口実にまた柊木誠一に会えるかも...

そう考えると、菅野千恵の目が輝き、爪を噛みながら、どうやって本物と偽物の和泉沙羅を見つけ出し、見分けるかを考え始めた!