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正午の十二時、陸田透真は無事に東京国際空港に到着した。
約十三時間の長距離フライトを終えた彼は、家に帰って風呂に入ったり一息つく間もなく、空港の駐車場に停めていた車を出して、直接有栖川グループへと向かい、出来立てのパーフェクトなダイヤモンドリングを有栖川涼の手に渡した。
陸田透真が到着した時、有栖川涼は海外の密接な提携会社とビデオ会議を行っていた。
ドアの音を聞いて、「出て行ってくれ」と言おうとしたが、陸田透真だと分かるとすぐに言葉を飲み込み、パソコンの画面に映る相手に「申し訳ありません、少々お待ちください」と言ってから、カメラとマイクをオフにし、素早く立ち上がって陸田透真を迎えた。
彼が口を開く前に、先に声をかけた。「それは?」
陸田透真はポケットから赤い宝石箱を取り出し、有栖川涼に手渡した。