第386章 あなたの妻はあなたの妻ではない(6)

有栖川涼は大和くんが何度も首を振るのを見て、心の中でイライラし始めた。彼は眉をひそめ、大和くんに「目が見えないのか」という視線を送り、何も聞かなかったかのように手を振って出て行くよう合図した。

大和くんがドアを閉めるとすぐに、有栖川涼は携帯を手に取り、パソコン画面を撮影して陸田透真に送り、先ほど大和くんに尋ねたのと同じ質問を繰り返した。「この二枚の写真、同一人物に見えないと思わないか?」

ちょうど携帯をいじっていた陸田透真はすぐに返信してきた。「くそ、てめぇ、俺をからかって楽しいのか?」

そのメッセージを読み終わるか終わらないかのうちに、画面に新しいメッセージが届いた。「ゲームが、お前の突然のメッセージで負けちまったぞ!」

陸田透真の最初のメッセージを見て、返信するつもりはなかった有栖川涼だったが、指先が動き、画面に新たな一行を打ち込んで送信した。「お前の五本の指の彼女は本当に忙しそうだな。お前の生理的欲望を満たすだけでなく、精神的欲望も満たさなければならないとは。」