しばらくして、ペンがまた動き始め、数文字書いた後、机の上に置かれ、教科書が閉じられた。
……
翌日、常盤燿子は一日中授業を受け、夜に家に帰ると、とても疲れていた。シャワーを浴びて、すぐにベッドに潜り込み、眠りについた。
真夜中、窓の外の雷の音で目を覚ました。燿子はトイレに行き、戻ってきた後、携帯で時間を確認すると午前3時だった。午後に彼が大阪行きの飛行機に乗るまでそれほど時間がなかった。
途端に、眠気は完全に消え去った。
彼女はベッドの上でしばらく固まったまま座り、適当に上着を羽織ると、そっと寝室を出て、リビングのバルコニーへ向かった。窓を開け、少し冷たい夜風を浴びながら、深い夜の闇を見つめ、ぼんやりと考え込んだ。
燿子が我に返った時には、窓の外の空はすでに薄明るくなっていた。春とはいえ、東京の夜はまだ冷え込み、彼女の手足は信じられないほど冷たくなっていた。