第457章 こんにちは、私は常盤燿子です（7）

女性の生まれつきの直感が彼女に告げた。車から降りてこない人物は、彼女がよく知る久しぶりの知人だと。

最初に目に入ったのは、光り輝く革靴だった。靴下を履かず、スーツのズボンから白く艶やかな足首が少し覗いていた。

視線がまだ上に移る前に、常盤燿子の指先は思わず服の襟をきつく掴んでいた。

彼女は少し離れた車の横にあるその革靴を約1分間見つめた後、まっすぐに伸びた長い脚に沿って、ゆっくりと視線を上げていった。最後に彼女の視線はネクタイのところで止まり、動かなくなった。

スーツ姿は清潔感があり、きちんとしていて、長ズボンに革靴、禁欲的な雰囲気が漂っていた。

8ヶ月も会っていなくても、まだ彼の顔を見ていなくても、常盤燿子は自分の直感が間違っていないことを知っていた。やはり久しぶりの有栖川涼だった。