第467章 彼女の記録を調べる（7）

「誰？」お茶を口元に運んでいた陸田透真は、急に顔を上げて尋ねた。

有栖川涼は少し黙った後、三文字の名前を口にした。「常盤燿子」

そして、彼の眉間にしわが寄った。

常盤燿子、常盤燿子、常盤燿子……なぜかこの名前を繰り返すほど、どこか聞き覚えがあるような気がした……

午後、彼女が自己紹介したとき、すでに聞き覚えがあると感じていた。

夜になって彼女に会ったとき、彼はようやく思い出した。去年一度会ったことがあるのだ。彼女は誠一の妻の親友だった。

午後のあの既視感は去年の一度の出会いからきていると思っていたが、今彼女の名前を口にすると、それだけではないような気がした……まるで遠い遠い過去に、この三文字を記憶していたかのような感覚があった。

「燿子ちゃん？」陸田透真は考えるまでもなく首を振った。「ありえないよ、冗談じゃない。燿子ちゃんが沙羅ちゃんの身代わりなんてことはあり得ない。確かに二人は少し似ているけど、外見だけですべてが決まるわけじゃない。整形技術だってあれだけ発達してるし、メイク技術だってあんなに誇張的だから、まったく似ていない二人でも、90パーセントくらい似せることができるんだ……僕がそう確信しているのは、燿子ちゃんと沙羅ちゃんの身代わりの声が似ていないからだ。それに雰囲気があまりにも違いすぎる。まったく別のタイプの人間だよ。ありえない！絶対にありえない！」