第030章 一枚の招待状

華やかな夜はすぐに幕を開けた。春の寒さが厳しい夜、この繁華な大都市はいつものように賑わっていた。

清川グループの最上階、58階の取締役会長室内。

藤崎輝は静かに床から天井までの窓の前に立ち、深く静かな海のような目で下方に瞬く無数の灯りを無表情に見つめていた。その表情は非常に落ち着いており、指の間には三分の一ほど燃えたタバコを挟んでいた。空気中には薄いタバコの香りがかすかに漂っていた。

「若様、先ほど星野市長から招待状が届きました。週末は星野様の70歳の誕生日だそうです。私たちは行くべきでしょうか?」

背後から突然、木村大輔アシスタントの声が聞こえた。

「星野市長?」

藤崎輝は低く呟き、考え込むように眉をひそめた。

「私たちの瑞穂市の市長、星野山のことです。星野様、星野陽は省庁から退任されました。私たちの会長が今戻ってきたポジションは彼の前任のものです。」

木村大輔は小声で説明した。「例年、星野様の誕生日には前会長が人を遣わして贈り物を送るか、あるいは会長自ら訪問していました。今、会長は出張中でしばらく戻れませんし、現在は星野市長が政権を握っています。彼の手腕はかなり厳しく、就任するとすぐに多くの人々を一掃し、いくつかの大企業もそのために倒産したと聞いています。ですから...」

木村大輔の言葉が終わってしばらくして、藤崎輝はようやく冷ややかに、ほんの少し吸ったタバコを近くの灰皿で消し、ゆっくりと振り返って木村大輔の手から招待状を受け取った。何気なく開いて一目見た後、再び木村大輔に渡した。

「それなら、贈り物を用意して送りなさい。」

さらりとそう言い残すと、テーブルの上のコートを取り、肩にかけ、ドアに向かって歩き出した。

「かしこまりました、若様!すぐに真に電話して車を持ってくるよう伝えます。」

木村大輔は急いでテーブルの上の書類カバンを取り、後を追った。

「必要ない。荷物を車に持ってきなさい。今夜は自分で運転する。」

藤崎輝はそう言い残すと、背の高い痩せた姿はドアの外に消えた。

木村大輔は一瞬戸惑ったが、最終的にうなずいて返事をし、急いで後を追った。

一方、こちらでは——

第一病院を出た後、星野夏子はすぐに家に帰らず、疲れた体で会社に戻った。