093章 父親星野山

朝食の後、夫婦二人は直接第一病院へ向かった。

「傷の治りは良好です。帰ってからも定期的に包帯を交換し、注意していれば、すぐに良くなりますよ」

医師は星野夏子の傷を一通り確認してから言った。

星野夏子は立ち上がり、肩の服を整えながら「ありがとうございます、気をつけます」と答えた。

「はい、薬を追加で処方しておきますので、帰って半月ほど塗れば、ほぼ治るでしょう。この期間は食事にも気をつけてください」

星野夏子はうなずき、医師から渡された処方箋を受け取って、ついたてから出た。

ついたての外で待っていた藤崎輝はすぐに前に出て、彼女の手から処方箋を受け取り、一目見てから後ろにいる真に渡した。

真はそれを受け取り、意を汲んで退き、会計と薬を取りに行った。

「帰りましょう。真が薬を受け取ったら直接届けてくれます」

「うん、天気もいいし、藤崎輝、私が経営しているお茶屋に連れて行こうか?」

星野夏子は週末によく竹韻清風に立ち寄っていたが、先週は用事があって行けなかった。今週はぜひ行きたいと思っていた。また、年末が近づいているので、顔を出して休暇の件について話し合う必要もあった。彼女は前もって小林教授に年末のプレゼントを準備するよう頼んでおり、休暇の時に従業員たちに配る予定だったが、今はどのくらい準備が進んでいるか分からなかった。

「お茶屋?」

「暇つぶしに経営しているの。何より環境がとても良くて、読書や囲碁、琴の音色を楽しむこともできるわ」

星野夏子は説明した。

「妻がこんなに誠意を持って誘ってくれるなら、夫としては喜んで付き合わなければ」

藤崎輝は穏やかに微笑み、手を伸ばして彼女の肩を抱き寄せながら前に進んだ。

……

実際、竹韻清風は彼らの楓の館からそれほど遠くなかった。どちらも市北にあり、その間の距離は車で飛ばせば、おそらく30分もかからないだろう。道は以前スピード走行した場所、九曲がりを通っていた。

竹韻清風の大広間の外のある一角で。

穏やかで優雅な琴の音色の中、星野夏子はくつろいだ様子で藤崎輝にお茶を入れた。「どうぞ飲んで、本を読んでもいいわ。私は本棚を整理して、それから小林教授にいくつか指示を出さなきゃ。お菓子もあるから、何が食べたいか見てみて、彼女たちに作ってもらうわ」

星野夏子はお茶を手に取り、軽く一口飲みながら言った。