第136章 深田勇を招待する

廊下を通り抜け、深田勇の書斎の前に来たとき、中を覗くと、案の定、深田勇が広い机の前に立ち、流れるような筆さばきで墨を振るっているのが見えた。そばの床には既に真っ赤な春聯が何枚も置かれていた。

「帰ってきたか!」

深田勇は手の筆を置き、入り口の方を見た。

星野夏子はようやく藤崎輝の手を離し、歩み寄って床に置かれた春聯を一瞥し、穏やかに笑って言った。「おじいさまの字はますます上手くなっているようですね、とても元気そうです。」

「この数日練習していたんだ、時間つぶしにね。」

深田勇のやせた体はゆっくりと机を回り、二人に近づいてきた。

「おじいさま。」

藤崎輝も礼儀正しく挨拶すると、深田勇はうなずいた。「お前たちが本当に私とお前の母親だけで大晦日を過ごさせるつもりかと思ったよ。まだ良心があったようだな、おじいさんのお前への愛情は無駄ではなかったよ!」

目の前の似合いのカップルを見て、深田勇の目に喜びの色が浮かび、星野夏子をちらりと見た。

「おじいさま、彼女はどこにいても、あなたと母上のことを気にかけています。あなたの愛情は決して無駄ではありません。あなたは彼女の心の中で誰よりも大切な存在で、私よりもずっと重要です。」

星野夏子が答える前に、藤崎輝が言葉を引き継いだ。夏子さんは驚いて彼を見た——珍しく甘い言葉だ、だからこそおじいさまの深田勇の心をすぐに掴んだのだろう!

案の定、深田勇はこの言葉を聞いて、思わず大笑いし、何度もうなずいた。「そうだとも、後から来た者が先に立つわけがないだろう?この娘は十数年、二十年近く私の宝物だった。こんな感情は、二、三日で薄れるものではない。もちろん私の方が重要だ!さあ、輝、碁を打ちに行こう。前回はまだ物足りなかったんだ!」

そう言うと、若い夫婦が反応する間もなく、杖をついて書斎を出て行き、続けて言った。「夏子、お前の母親が今回持ち帰った生プーアル茶はなかなかいいぞ、お前と輝に少し持って帰って試してみるといい。鈴木おばさん、鈴木おばさん、あの古玉の碁盤を出してくれ、高村さんと碁を打ちたいんだ。鈴木おばさん、どこだ?大野執事!大野執事!」

最後は叫ぶような声で、夏子さんは無力感を覚えながら、隣の藤崎輝を見て、肩をすくめるしかなかった。