第155章 衝突(一)

実際、藤崎悠はここ数年かなり暇を持て余していた。本社に座っているだけで、清川の大半の重要な決断は藤崎輝が直接海外から操っていたため、暇な時間には花を植えたり、将棋を指したり、お茶を飲んだりと、心身を養う活動をしていた。

「七日に帝光エンターテイメントシティのオープニングセレモニーを監督しているって聞いたけど?」

藤崎悠が珍しく会社の事を気にかけた。

星野夏子はうなずき、藤崎悠に水を注ぎ、座って言った。「はい、そうです。本来ならあちらの事は小島部長の方が詳しいはずですが、今年は小島部長が外部に異動になり、広報部もその具体的な流れに不慣れなので、少し目を配っています。おじいさま、その日はおばあさまと一緒に来られますか?」

それを聞いて、藤崎悠は手を振り、笑いながら首を横に振った。「私たちは行かないよ。会社は輝とお前に任せて、百パーセント安心している。長年働いてきたから、もう引退して静かに暮らしたいんだ。お前の両親も、恐らく行く時間はないだろう。言わなくても、お前たちはわかっているだろう」

藤崎悠の言葉に星野夏子は一瞬戸惑ったが、すぐに「はい、わかります」と答えた。

「さあ、朝食を食べに行きなさい。忙しいことがあるなら、それをしなさい。おばあさんは今、庭の土を新しくするよう指示しているから、私も見に行くよ」

そう言うと、外へ歩いて行った。

……

簡単に朝食を済ませた後、星野夏子は直接車で会社へ向かった。

従業員たちは休暇で戻っていなかったため、会社全体がガランとしていたが、広報部の片岸マネージャーたち数人の責任者はオープニングセレモニーの準備に忙しく、休息の時間を犠牲にして仕事に専念せざるを得なかった。

片岸マネージャーたちと午前中いっぱいデザイン案を検討し、細部を具体化して大まかな計画を決定した後、すでに午後になっていた。

「よし、とりあえずこれで決定しましょう。明日から具体的な準備を始められます。細部については先ほど確認しましたが、ほぼ準備ができています。三日間という時間はやや慌ただしいですが、最善を尽くして完璧を目指しましょう」

星野夏子はファイルを閉じ、隣の片岸マネージャーに渡した。

「わかりました、星野監督。ご安心ください、今回は自信があります」

片岸マネージャーと数人の責任者は自信に満ちた笑顔で言った。