清川グループは夕方の6時きっかりに退社する。
会社を出ると、外はすでに少し暗くなっていた。夏のように昼が長く夜が短いわけではなく、夕方の風もやや乾いて冷たく、夕日が沈んだ後には、ひんやりとした寒さを感じた。
星野夏子がカバンを持って車に近づくと、男性がすでに車の中に座り、電話をしているのが見えた。聞こえてくる声は須藤旭からの電話のようだった。
彼女が運転席に向かって歩くと、藤崎輝は察して体を動かし、助手席に移動しながら、須藤旭との電話を続けていた。
「週末にまた集まろう。直接帝光娯楽クラブに来てくれ。じゃあ、また。」
彼は電話を切り、携帯を脇に投げた。
「彼らがお酒を飲んだり、カードゲームをしたりするために誘ってきたの?」
星野夏子は淡々とそう尋ねながら、シートベルトを締め、車のエンジンをかけた。
彼は視線を彼女に向けたが、答えず、椅子の背もたれに少し寄りかかり、静かな目で窓の外の行き交う人々を見つめていた。
彼が答えないのを見て、彼女もそれ以上追及せず、手慣れた様子で車を駐車スペースから出し、前方の広い道路へと走らせながら、穏やかな声で言った。「たまには彼らと集まるのも、悪くないと思うわ。」
「週末に一緒に行こう。」
彼女の言葉を聞いて、彼はすぐにそう返した。
「あなたたち男同士の絆を深めるのに、私が邪魔にならないかしら?」
星野夏子はそう言いながら、薄い唇を軽く上げ、興味深そうに彼を一瞥した。
彼も考え深げに顔を向け、質問に直接答えずに言った。「君はもっと外出した方がいい。普段の休みにはほとんど出かけないじゃないか。」
「平日は仕事で疲れるし、週末は誰だって自然に目覚めて、本を読んだり、お茶を飲んだりしたいものよ。」
彼女はそう淡々と答えた。
「言い訳が多いな。引き出しで見つけたジムの会員カード、日付を見ると半年以上経っているが、行った回数は3回も超えていないだろう。典型的な三日坊主だ。」
彼がそう言うと、星野夏子は半年前に運動しようと決意してジムに会員登録したことを思い出した。最初は須藤菜々に誘われて1、2回行ったが、その後は面倒になって行かなくなった。
「あなただって運動しているところ見たことないわ。それに、あなたは筋肉質なタイプじゃないし…」