藤崎輝、須藤旭、渡辺薫兄弟たちは賑やかなことが好きな人たちではなく、誕生日のような時には、たいてい親しい友人数人と酒を飲み、話をして、集まるだけだった。
藤崎輝が星野夏子を連れて個室に入ったとき、中では皆が楽しく過ごしていた。
人はそれほど多くなく、須藤旭自身を含めても七人だけだった。
「ずいぶん待ったぞ、早く来いって言ったのに?」
須藤旭は二人の姿を見て、迎えに来た。
藤崎輝は足を止め、隣の星野夏子に目をやると、夏子は察して手に持っていたプレゼントを差し出し、申し訳なさそうに言った。「少し買い物をしていたので、遅くなってしまいました。お誕生日おめでとう!」
「いつからこんな手を使うようになったんだ?直接俺のカードに良い額を振り込んでくれたら、もっと喜ぶのに。でも、そういえば、お前がプレゼントをくれたのはいつ以来だ?これはお前の考えじゃないだろう!」須藤旭は話しながら夏子の手からプレゼントを受け取り、「ありがとう、夏子!」