第267章 重大爆弾!(5)

一方、楓の館での二人の温かく穏やかな様子とは対照的に、第一病院の救急室の外では異様に不気味な雰囲気が漂っていた。

高橋文子は、すでに画面が暗くなった携帯電話を大きく見開いた目で見つめていた。老いた目は動かず、全身が凍りついたように、一瞬にして全ての感覚を失ったかのようで、傍らの岡田凛子も心配そうに見ていた。

「お母さん、どうしたの?お母さん!」

何度も呼びかけても、高橋文子は反応せず、岡田凛子は焦って彼女の肩を何度か揺すると、ようやく彼女は我に返り、ぼんやりとした様子で岡田凛子を見つめ、言葉を詰まらせながら尋ねた。「奥様?藤崎輝……凛子、これはどういうこと?あの品は藤崎輝……藤崎若旦那が送ってきたものだって……彼は奥様って何を言ってるの?星野夏子が彼の奥様だって言ったの……これは一体どういうこと?」