どれくらい時間が経ったのか分からないが、彼女は動かさずにいた腕がしびれてきたのを感じて、ようやく落ち着きを取り戻した。彼をしばらく見つめていると、下から微かにインターホンの音が聞こえてきた。
おそらく草場医師が来たのだろう。
星野夏子はそっと立ち上がり、彼の強く握る手から自分の手を何とか引き抜くのに苦労した。無意識に手を伸ばして彼の額に触れると、まだとても熱かったので、思わず心配そうにため息をついた。
階下に降りると、真が草場医師と一緒に来ていた。
「奥様!ご主人はどうですか?」
真は入るなり、眉を寄せて心配そうに尋ねた。
星野夏子は少し体を横に向け、二人を中に招き入れながら答えた。「さっき解熱剤を飲ませたけど、まだ熱が下がらないわ。とりあえず上に行きましょう」