温存の戦いは夜明け近くまで続き、夫婦二人はようやく眠りについた。
新婚の短い別れの後、何日も胸が締め付けられるような思いに駆られていた彼は、当然彼女を簡単には許さなかった。そうすることでしか、この数日間の心の空虚さを埋められないかのようだった。
本来、夏子さんは一息ついた後に彼に話したいことがあったのだが、彼のとどまることを知らない求めに、すっかり忘れてしまっていた。
静寂の夜はすぐに夜明けの光に追い払われ、まだ眠りについたばかりのような感覚なのに、外はすでに明るくなっていた。朝の暖かな陽光が閉め忘れた掃き出し窓から差し込み、ゆっくりと移動しながら、細かな柔らかい光が薄手のカーテンに包まれていく……
長い時間、ベッドで丸くなった二人はまだ眠りの中にいた。
まるで一世紀が過ぎたかのような長い時間の後、彼の腕の中で彼女が少し体を動かすと、彼はすぐに無意識に手を伸ばして彼女を抱き寄せ、低い声で「夏子……」と呼んだ。
「うん?」
彼の低くかすれた声を聞いて、うとうとしていた彼女は少し目を覚まし、軽く返事をして目を開け、手で目をこすりながら彼の方を見た。すると彼はまだ深い眠りの中にいることに気づいた。
時差ボケだわ!
もともと疲れていたのに、昨日はあんなに長い間無理をして、何度も「もういい」と言ったのに彼は許してくれなかった。どうして今まで、この男が高慢な外見の下に隠れた色男だとわからなかったのだろう?
深く息を吸い、眠っている彼をしばらく見つめた後、彼女は彼の腰に回された大きな手を慎重にどけ、そっとベッドから降り、近くにあった服を着て、乱れた髪をかき上げ、ゆっくりとバスルームへ向かった……
彼はぐっすり眠っていたので、星野夏子は身支度を整えると直接階下に降りて昼食の準備をした。
この数日間、深田邸で深田文奈から二人とも気に入る簡単な家庭料理を二品習っていた。当時、深田文奈に味見してもらったところ、悪くないと言われたので、星野夏子は決めた。今後彼女が料理するとしても、この二品だけにしようと。