翌朝、夜明けの微光が依然として沈んだ空を引き裂き、外はまだ霞んだ雨煙に包まれ、東浜市全体が一面の幻想的な虚無の中に覆われていた。
天気はやや鬱屈としており、人の心の底にも息苦しさを感じさせるほどだった。藤崎凌子はそんな物悲しい雰囲気を纏いながら、沈んだ雨煙を通り抜けて東浜市人民病院へと急いでいた。
看護師の案内に従い、彼女はすぐに真の病室を見つけた。
遠くから入口に立ち、中で真がベッドの頭に寄りかかり、片手が少し不自由そうに膝の上の書類をめくっているのが見えた。
藤崎凌子は中に入らず、わずかに視線を戻し、背後の冷たい壁に寄りかかり、片足を壁に付けて立ち、目を閉じて深く息を吸った。緊張していた心が一瞬で解放され、一晩中心配して、早朝の最初の飛行機に乗ってきたのは、彼の様子を確かめるためだった。
今、彼が無事なのを見て、彼女も安心した。数回息を吸い、再び頭を少し傾けて中のベッドにいる人を見つめ、顔からずり落ちそうなサングラスを手で直すと、身を翻して立ち去ろうとした。
しかしその時、病室の中の真は彼女に気づいていた——
「凌子!」
急いで手の書類を置き、体を支えて起き上がろうとしたが、力を入れた途端、全身に痛みが走り、再びベッドに倒れ込んだ。痛みが増し、彼の端正な顔には抑えきれない苦痛の表情が浮かび、傍らの書類も床に散らばった。
その様子を見て、藤崎凌子はようやく足を止め、深呼吸して全身の痛みを和らげようとする真を見つめ、しばらく葛藤した末、結局は見過ごせず、彼の方へ歩み寄った。
ベッドの前に来て、ようやく立ち止まり、かがんで散らばった書類を拾い集めた。
「私がやるから、座っていて」
真は彼女の姿を見て、端正な顔にめずらしく微笑みを浮かべ、急いでベッドから降りようとした。
「横になっていて、私がやるから」
藤崎凌子は手際よく書類を片付け、隣のベッドサイドテーブルに置き、彼を見る時になってようやく顔の大きなサングラスを外し、疲れて少し赤い双眸を露わにした。
「ただ様子を見に来ただけよ、無事でよかった」
彼女の声もやや嗄れており、もつれた心の思いは複雑で、彼女自身も心の感覚をはっきりと言い表すことができなかった。