星野山が鉢植えを持って星野陽の部屋に入ったとき、星野陽はちょうど使用人に手伝ってもらって前のソファに座ろうとしていた。
ここ数日間、ほぼ毎日点滴を受けていたが、少しも力が戻る様子はなく、全身がぐったりとして、自分で立ち上がる力さえなかった。
星野山はさっき木村先生や病院に電話をして状況を確認したところだった。星野陽の状態はとても悪く、おそらく精神状態も良くないため、治療の効果はほとんど見られなかった。
星野陽は病院を嫌っており、どうしても必要でない限り病院には行かないだろう。星野山ももちろんその理由を理解していた。
聞くところによると、彼の母親は彼を産む際に難産で亡くなったため、星野陽は心の底から病院という場所を嫌っていた。
「今日は少し良くなった?」
星野山は手に持っていた鉢植えを星野陽のベッドサイドテーブルに置いた。星野陽は顔を上げるだけでそれを見ることができた。