月影から出てきた時、外はすでに暗くなり始め、街灯が一列に点灯し、街中の灯りが輝く時間帯だった。
星野夏子はさっと車に乗り込み、そのまま走り去った。
後ろからそう遠くない場所で、真は隣の別の車に乗っている黒服のボディガードに目配せした。その黒服はすぐに車を発進させて後を追った。一方、真はまだもう一台の車に座ったまま、月影の入り口をじっと見つめていた。
そのとき、突然電話の着信音が鳴り、真はすぐに出た——
「真さん、私です。誰かが匿名でタイム誌のメールボックスに資料を送ってきました。おそらく他の雑誌社も受け取っているでしょう。これは何年も前から深田文奈と星野山の……」
後の言葉は、真にはもう意味が分かっていた。
「誰が送ったのか調べられないか?」
真は冷静に尋ねた。