夜はまだ続いていて、今はまさに灯りが輝く時間だった。
市北郊外に隠れた聖蘭別荘区は静寂に包まれ、温かな光に包まれた楓の館の中。
星野夏子は入浴を終えたばかりで、ゆっくりと寝室から出てきた。部屋を出るとすぐに、男性が居間のソファに座ってくつろぎながらお茶を飲みテレビを見ているのが目に入った。
「何の番組?」
彼女は近づいて、彼の隣に座った。彼はすぐに彼女にもお茶を注ぎ、ついでにリモコンを渡した。「特に熱中している番組はない」
「カリーナの新作映画が良いって聞いたわ。興行収入も高いらしいし、見てみない?」
星野夏子はそう言いながら、その映画を探し始めた。
「木村大輔はすでに西園を片付けさせた。一晩中ほとんど話もしなかったが、私に言いたいことはないのか?」
藤崎輝はお茶を一口飲み、手の中の茶碗を置くと、深い瞳で彼女を見つめた。明滅する視線が彼女の澄んだ魅力的な顔を静かに捉えていた。