第427章 身敗名裂(二)

夜はまだ続いていて、今はまさに灯りが輝く時間だった。

市北郊外に隠れた聖蘭別荘区は静寂に包まれ、温かな光に包まれた楓の館の中。

星野夏子は入浴を終えたばかりで、ゆっくりと寝室から出てきた。部屋を出るとすぐに、男性が居間のソファに座ってくつろぎながらお茶を飲みテレビを見ているのが目に入った。

「何の番組?」

彼女は近づいて、彼の隣に座った。彼はすぐに彼女にもお茶を注ぎ、ついでにリモコンを渡した。「特に熱中している番組はない」

「カリーナの新作映画が良いって聞いたわ。興行収入も高いらしいし、見てみない?」

星野夏子はそう言いながら、その映画を探し始めた。

「木村大輔はすでに西園を片付けさせた。一晩中ほとんど話もしなかったが、私に言いたいことはないのか?」

藤崎輝はお茶を一口飲み、手の中の茶碗を置くと、深い瞳で彼女を見つめた。明滅する視線が彼女の澄んだ魅力的な顔を静かに捉えていた。

彼女はそれを聞いて、少し目を伏せ、黙って自分の手の中の茶碗を見つめ、しばらくもてあそんだ後、ため息をついて彼の方を向き、もごもごと言った。「あの新聞やニュースのこと、全部知ったわ。事態がこんなことになるとは思わなかった。私たちのことを色々言う人もいるし…」

「言うなら言わせておけばいい。他人には言論の自由がある。彼らの口を塞げるわけじゃないだろう?お前はね、余計な心配をしすぎなんだ。あれも気にしこれも気にして、だからいつも束縛されていると感じるんだ」

彼は彼女を抱き寄せ、低い声で少し諦めたように言った。「私のせいだと思うか?」

彼女は首を振り、息を吸い込み、薄い唇を噛んだ後、静かに言った。「ただ、毅然とした決断力のある君に比べて、私はずっと劣っていると感じるの。いつも君が彼女たちの気勢を抑えてくれた後で、やっと少し自信を取り戻すの」

彼女はそう言いながら、星のような瞳に隠れていた無数の星が突然浮かび上がり、静かに彼を見つめた。「藤崎輝…こんな私を、時々弱いと思わない?私もずっと直そうとしているけど…」