第430章 身敗名裂(五)

月影のために、彼女は喜んですべてを捨てた。なのに今、この女は彼に能力がないと言い、彼女が月影をうまく経営できなかったのが悪いと?

彼女はずっと月影を母娘に譲るつもりだったのに、今こんな言葉を聞かされて、どうして心が冷えないことがあろうか?

急激な呼吸の後、高橋文子の顔色が青ざめ始め、両目を見開いて岡田凛子を睨み、震える指で岡田凛子を指しながら、声も不安定になり始めた。「あ...あなた...よくも...あなたは...堂々たる市長夫人のくせに品位もなく...さらにこんな...」

岡田凛子は冷笑し、手に持っていたタブレットを高橋文子の前に投げた。「私がどうだって言うの?そう、私は外で男を作った、それがどうしたの?市長夫人だからって何?彼、星野山は私に触れようともしない。でも男は私に触れたがる。私はわざと彼より若くてハンサムな男を選んだの。なぜ彼は深田文奈というあの賤女のことばかり考えているのに、私は星野山のために貞操を守らなければならないの?彼が大事にしてくれるの?私が手を差し伸べて月影を助けたのに、あなたは感謝するどころか、私を責める。この数日間、私はあちこち奔走して、功績はなくても苦労はあった。ここに来ても、あなたは一言の気遣いもなく、いきなり罵倒ばかり!あなた、自分が誰だと思っているの?ただのベッドに横たわって世話が必要な風前の灯火に過ぎないじゃない!」

かつての温和で従順な姿は微塵も見えず、今残っているのは嫌悪感に満ちた顔だけだった--

病気でほとんどベッドに寝たきりなのに、まだこんなに落ち着きがない。まだ自分が昔の月影で風を呼び雨を呼べる高橋社長だと思っているのか?

本来ならまだ一息つけたはずだったが、岡田凛子の後の二つの言葉を聞いて、高橋文子は全身が震え、目を大きく見開き、急いで大きく息を吸い込んだが、息が上がらず、「あ...あなたこの...賤女...賤女...何を言...」

言葉が終わらないうちに、老いた顔は怒りで真っ赤になり、息ができなくなり、そのまま後ろのベッドに倒れ込んだ--

しかし、ちょうどそのとき、ドアからノックの音が聞こえ、岡田凛子が反応する間もなく、回診の看護師が入ってきて、高橋文子が後ろに倒れるのを見て、大いに驚いた!

「患者は刺激を受けてはいけません、あなたは彼女に何を言ったんですか!」