外側の包装紙を取り除くと、巨大なウェディングフォトが目の前に現れた——
彼は彼女の手を引き、指を絡ませながら、夕日の中を通り抜け、残照を追いかける一幕……
「うーん……なかなかいいね。ただ、夫人は少し痩せて見えるね、夕風に耐えられないほど弱々しく。このウェディングドレスが一番気に入っているよ」
藤崎輝はしばらく鑑賞してから、微笑みながら感嘆した。
星野夏子さんはそれを聞いて肩をすくめた。「誰が夕風に耐えられないほど弱いって?でも藤崎さん、現実のあなたの方がかっこいいと思うわ。このウェディングフォトでは、まるで仙人のように非現実的に撮られているわ。でも全体的には満足よ」
「他にもあるよ。これは、寝室のベッドの頭に飾ろうか?それとも書斎?」
彼は謙虚に彼女の意見を求めた。
「うーん……寝室がいいわ。ウェディングフォトを書斎に飾る人なんてほとんどいないでしょ?書斎には何か励ましの言葉を飾るべきじゃないかと思ってたところよ」
彼女は嬉しそうに笑った。
「励ましの言葉?どんな言葉?」
彼は片手でフレームを持ち、もう片方の手で彼女を抱きながら寝室へ向かった。
「淡泊にして志を明らかにし、静かにして遠くに至る……」
「陳腐だね!」
「どこが陳腐なの?私たちの修養にぴったりだと思わない?」
「どんなに修養を積んでも、君の情緒指数は上がらないね。本当に不思議だよ、そんなに鈍感なのに、この何年間をどうやって過ごしてきたのか……」
「私は鈍感じゃないわ……」
夫婦の声はすぐに寝室の中に消えていった……
……
夜が次第に更けていき、見知らぬ男の車に乗って何度も曲がりくねった道を進んだため、星野心はもう道がわからなくなっていた。ただ暗闇の中をかなり長い間走り回り、何本もの狭い路地を通り抜けた後、車は古びた感じの家の門前で止まった。
車の中で約1時間待った後、前のサングラスの男が彼女に降りるように言った。
「降りてください、星野さん!」
サングラスの男は車のドアを開け、さっと降りた。
星野心も車から降り、無意識に周りを見回すと、辺りは静まり返っており、庭の前には黒い乗用車が停まっていることに気づいた。
「藤田さんは車の中です。行きましょう」
サングラスの男はそう言って、前方の車に向かって歩き始めた。星野心は不安げに彼の後についていった。