第442章 婚約の品を贈る(一)

月末が近づき、結婚式もますます近づいてきた。夫婦二人は仕事の引き継ぎを終えると、すでに休暇モードに入っていた。

今日、夫婦二人は早起きした。大野恵子と松本朋香は早朝から結婚式の招待状の準備で忙しく、深田邸への婚約品を届ける件も今日に決まっていた。

本来なら今月中旬に、星野家の分と一緒に届けるつもりだったが、思わぬことに……

六月に近づく天気はやや暑くなり、星野夏子は今日、青い膝丈のワンピースに着替え、肩に流れる美しい髪を軽くまとめて上品な髪型にしていた。今は須藤菜々と会社の付き合いのある同僚たちへの招待状を書くのに忙しかった。

大野恵子と松本朋香は傍らで使用人たちに婚約品の準備を指示していた。すべて彼らの伝統的なやり方で行われ、これらのことは藤崎輝と星野夏子には当然わからないので、二人の指示に従うことにした。

一時、楓の館全体が非常に賑やかになり、耳には大野恵子と使用人たちの話し声が満ちていた。

リビングでは、星野夏子がまだ一束の招待状と黙々と格闘していた。藤崎輝は傍らに座って今日の朝刊を読んでおり、そばには香り高いお茶が入れられていた。

「招待状は明日配るの?明日は直接海外に飛ぶんじゃなかった?」

最後の一枚を書き終えると、星野夏子はようやく顔を上げ、傍らで熱心に新聞を読んでいる男性に穏やかに尋ねた。

「おばあちゃんたちが人を手配して届けてくれるから、それは心配しなくていいよ」

彼は顔を上げることなく、そう答えた。

「じゃあ、私は夜に自分で須藤菜々に渡すわ」

彼女はそう言いながら、その中から一枚の招待状を取り出して振ってみせた。

「好きにしていいよ。ちょうど夜には須藤旭のところにも行かなきゃならないし。ブライズメイドのことは決まった?」

彼は顔を上げて彼女を見つめながら尋ねた。

ブライズメイド!

この言葉を聞いて、星野夏子はすぐに眉をひそめた。以前はあまり考えていなかったが、彼女と須藤菜々のどちらかが互いのブライズメイドになれると思っていた。しかし、彼女が須藤菜々より先に結婚することになったのに、須藤菜々の結婚式が先に行われることになり、チャンスを逃してしまった。