月末が近づき、結婚式もますます近づいてきた。夫婦二人は仕事の引き継ぎを終えると、すでに休暇モードに入っていた。
今日、夫婦二人は早起きした。大野恵子と松本朋香は早朝から結婚式の招待状の準備で忙しく、深田邸への婚約品を届ける件も今日に決まっていた。
本来なら今月中旬に、星野家の分と一緒に届けるつもりだったが、思わぬことに……
六月に近づく天気はやや暑くなり、星野夏子は今日、青い膝丈のワンピースに着替え、肩に流れる美しい髪を軽くまとめて上品な髪型にしていた。今は須藤菜々と会社の付き合いのある同僚たちへの招待状を書くのに忙しかった。
大野恵子と松本朋香は傍らで使用人たちに婚約品の準備を指示していた。すべて彼らの伝統的なやり方で行われ、これらのことは藤崎輝と星野夏子には当然わからないので、二人の指示に従うことにした。