第447章 素晴らしい時間(1)

翌日、早朝に大野恵子たちが藤崎邸からやってきたとき、藤崎輝と星野夏子はまだ起きていなかった。下の庭から物音がして、夫婦二人はようやく目を覚ました。身支度を整えて階下に降りると、大野恵子はすでに朝食を用意していた。

藤崎悠も大野恵子と一緒に来ていて、星野夏子が後から階下に降りてきたとき、藤崎悠はソファに座って新聞を読んでいた。

「おじいさん、おばあさん、おはようございます!」

星野夏子は礼儀正しく挨拶した。

「夏子、起きたのかい?おばあさんが今日飛行機に乗るからと、朝早くから私を連れてきたんだ。君たちが気をつけるべき礼儀作法をいくつか伝えたいそうだ。それと招待客リストに漏れがないか確認して、もし誰か抜けていたら教えてくれれば、すぐに招待状を送るようにする。」

藤崎悠は優しく言いながら、手元のリストを取り上げて星野夏子に渡した。

星野夏子は近づいて微笑みながらそれを受け取り、ざっと目を通した。「これは全部結婚披露宴の招待客リストですか?昨日はこんなに多くなかったのに、今日はどうして……」

星野夏子が眉をひそめるのを見て、藤崎悠は慈愛に満ちた笑みを浮かべた。「藤崎家ではこんな大きな慶事が久しくなかったから、当然しっかりと準備しなければね。君たちは心配しなくていい、これらのことは私たちがきちんと手配するから。君たちは海外で結婚式を挙げて、ついでに新婚旅行に行けばいい。披露宴は9日だから、まだ10日ある。二人のためにゆっくり休暇を取るといいよ。君たちも、この数日間は大変だったからね。」

「おじいさんの言う通りよ。輝はまだ起きてないの?」

大野恵子はにこやかに温かい水を一杯星野夏子に渡した。今では孫の嫁を見るたびに満足感が増していた。それは何かのためではなく、彼女が穏やかで付き合いやすそうだからであり、最も重要なのは、彼女が孫を幸せにしていることだった。これは彼らが最も喜ぶことだった。

「彼はまだお風呂に入っています。昨晩、須藤旭たちとお酒を少し飲んで、二日酔いの薬を飲んだんですが、朝から頭がぼんやりしていると言っていました。多分お酒の後遺症でしょうね。」

星野夏子はそう言いながら軽く礼を言い、大野恵子から水を受け取って、形式的に二口飲んだ。